研究グループ

腫瘍生化学研究室

九州大学耳鼻咽喉・頭頸部外科では、悪性腫瘍(がん)をはじめとした様々な腫瘍性疾患に対して積極的に治療を行っています。

頭頸部がんとは?

そこで、九州大学耳鼻咽喉・頭頸部外科では以下の点に力を入れて診療、研究に取り組んでいます。

診療内容について

患者さん一人一人の病状やご希望に合わせた最適な治療を行うため、病理医、放射線科医、腫瘍内科医、形成外科医などの複数の専門領域の医師と連携して、治療方針の詳細な検討を行っています。
また、医師をはじめ看護師、薬剤師、栄養士、言語聴覚士など、多くの職種がチームを組んで治療支援を行っています。

臓器温存、機能温存を重視した集学的治療を実践しています。

強度変調放射線治療(IMRT)
腫瘍の形に合わせて放射線をあてることで、従来の放射線治療と比べてより腫瘍に放射線を集中させ、周囲の正常組織への副作用を減らした放射線治療を行っています(上咽頭がん、中咽頭がんなど)。
強度変調放射線治療(IMRT)
機能の温存を心がけた腫瘍切除と再建手術
複雑な構造をした上顎や下顎などの腫瘍に対しては、CT画像をもとに患者さんそれぞれの骨モデルを術前に作成し、腫瘍の広がりに応じた手術のプランニングをすることで、より機能と形態の温存を目指した腫瘍の切除、再建手術を行っています。
機能の温存を心がけた腫瘍切除と再建手術

難治性疾患に対しても他科(形成外科、外科等)と連携した外科手術を実施しています。

2015年 手術実績

  (うち再建手術を含む)
鼻・副鼻腔腫瘍がん(上顎云洞がん その他) 34 11
舌がん 23 13
その他口腔がん 12 7
咽頭がん 30 12
喉頭がん 33 3
外耳道癌 7 7
甲状腺腫瘍 43 2
唾液腺腫瘍 41 2
頸部食道がん(外科との合同手術) 5 3
頸部郭清 18  
その他の頭頸部腫瘍手術(副咽頭間隙腫瘍、頸嚢摘出など) 72  
318 60

研究について

腫瘍グループでは分子生物学・免疫生化学的な手法を用いて頭頸部がん治療に関する様々な基礎研究および臨床研究を行っています。

1. 頭頸部癌に対する分子標的薬の効果を予測する因子の研究

従来の抗がん剤治療に「分子標的薬」と呼ばれる新しいがん治療薬を加えることで、これまでの抗がん剤のみの治療と比べて、より高い治療効果が得られることがわかっています。しかしながら、分子標的薬の効果があまりみられない患者さんもいます。治療薬が効くか効かないかは、使用してみないとわからないのが現状です。そこで私たちは、頭頸部がん細胞から遺伝子(細胞の設計図)を取り出し、さまざまな分子の異常と分子標的薬の効きやすさの関連を調べることで、それぞれの患者さんにどの治療薬がもっとも効果がありそうかを治療前に予測するための研究を行っています。

2. 唾液腺癌の治療についての研究

唾液腺(耳下腺や顎下腺)に発生するがんは比較的めずらしいタイプのがんですが、非常に多くの種類のがんが発生することが知られています。症例が少ないため、それぞれのがんについてもまだ分かっていないことが多く、治療に関する研究も遅れています。私たちは、これまでに治療を行ってきた多くの唾液腺がんの症例を分子生物学的、病理学的に解析することで、それぞれの唾液腺がんの特徴や、最適な治療法に関する研究を行っています。また、唾液腺がんに対する分子標的薬の効果に関して、基礎的な研究を行っています。

唾液腺癌の治療についての研究

3. 放射線治療による唾液腺障害に対する治療法の開発

頭頸部がんに対する放射線治療後の唾液分泌障害は、治療後も改善しないことが多く、患者さんの多くが口の渇きに悩まされています。放射線治療による唾液腺障害に対する効果的な治療法は現時点でないため、放射線性唾液腺障害に対する新たな治療法の開発を基礎研究レベルで行っています。
放射線治療による唾液腺障害に対する治療法の開発

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