初期研修医/学生の皆様へ

先輩メッセージ

Message 01

挑戦が未来を広げる──繊細さも大胆さも武器になる耳鼻咽喉科という道

佐藤 方宣MASANOBU SATO
[キャリア概略]
久留米大学卒→初期研修(福岡赤十字病院)→大学病院→関連病院→大学院(病理学)→関連病院→国内留学(国立がん研究センター東病院)→大学病院

耳鼻咽喉科は一見すると、「みみ・はな・のど」という限られた領域を扱う診療科に思えるかもしれません。しかし、私は初期研修医の終盤まで外科を志していた中で、たまたま1カ月間ローテーションした耳鼻咽喉科で、その印象が大きく覆されました。顔面から頸部には三次元的に複雑に入り組んだ血管・神経・筋肉・骨が集まり、さらに眼球、唾液腺、甲状腺、舌、声帯や気管といった重要臓器が配置されています。扱う疾患も多彩で、疾患の治癒はもちろん、機能面や整容面も視野に入れた繊細かつ大胆な手術、さらにがんやアレルギーに対する幅広い薬物療法まで──そのすべてが奥深く、私は強く魅了され、思い切って耳鼻咽喉・頭頸部外科の道へ進むことを決意しました。
私たちの教室の魅力は、高い専門性を磨ける環境が整っていると同時に、意外なほど柔らかくフランクな雰囲気があることです。興味を持った分野には気軽に挑戦でき、思い切って手を挙げれば必ず支えてくれる文化があります。私自身、頭頸部腫瘍を専門にすることを目標に、大学院に進学して病理学を専攻し、さらに標準的な手術手技やがん薬物療法を学ぶために日本屈指のハイボリュームセンターに国内留学しました。こうした経験を通して、大学病院であっても主体的に治療方針を組み立て、患者さん一人ひとりに寄り添いながら多様な治療選択肢を提示できるようになったと実感しています。
最近では、咽頭悪性腫瘍に対する手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた低侵襲手術や、新規がん薬物療法の臨床試験にも携わり、頭頸部がん治療の発展に少しでも貢献したいと考えています。
耳鼻咽喉科には、耳・鼻・咽喉頭・頭頸部腫瘍・音声・めまい・アレルギーなど、多様な領域があり、誰にとっても“興味の入り口”となる分野がきっと見つかります。そして「ちょっとやってみたい」という気持ちを歓迎し、挑戦を後押しする温かい文化があります。専門を決めるのも深めるのも、焦る必要はありません。まずは気になる分野に一歩踏み出してみてください。
私たち先輩は、皆さんが自由に挑戦し、自分らしい耳鼻科医として成長できるよう、全力でサポートします。ぜひ耳鼻咽喉科の奥深さと可能性に触れてみてください。一緒に働ける日を心から楽しみにしています。

Message 02

なりたい自分になれる科〜ジェネラリストとスペシャリスト〜

鈴木 智陽TOMOHARU SUZUKI
[キャリア概略]
久留米大学卒→初期研修医→大学病院→関連病院(福岡済生会病院)→留学(テキサス大学)→関連病院(福岡済生会病院、福岡赤十字病院、福岡山王病院)→大学病院→関連病院(北九州市立医療センター)→大学病院→九州中央病院(医長)

私は祖父、両親が耳鼻咽喉科医ということもあり、幼少期から漠然と耳鼻咽喉科に興味を持っていました。大学時代に医学の勉強を始め、耳鼻咽喉科が扱う範囲の広さに驚いたことを覚えていますし、日々の臨床の中でも強く感じています。耳鼻咽喉科は疾患や対象年齢(0歳〜100歳以上)も多岐にわたり、内科系、外科系のどちらに進むか迷われている方にも魅力的な科だと思います。
九州大学耳鼻咽喉・頭頸部外科は、九州で最も多くの医局員が在籍しており、さまざまな関連病院があります。私のキャリア概略を見ていただければ分かるように、多くの関連病院を経験してきました。その中で、さまざまな先輩医師から手術手技や外来のテクニックを学ぶことで、耳鼻咽喉科診療のジェネラリストとしての部分が形成されたと感じています。
また、専門医 (現制度では臨床経験4年で専門医受験可能)を取得後は、自分の専門分野を決めることが多いです。私は現在鼻科学を専門にしており、内視鏡を使用した鼻科手術や頭蓋底手術のスペシャリストになることを目指しています。
大学院へ進学して学位を取得することも可能です。私は例外的ですが、テキサス大学に留学する機会があり、その際の研究内容で学位を取得することができました。当医局は学位取得に関して非常に協力的であり、私の学位取得にも多くの先輩や後輩医師が関わってくださり、良い医局に入ったと感じています。
私は現在、関連病院である九州中央病院耳鼻咽喉科のチーフとして働いています。卒後13年目なので、その他の関連病院のチーフと比べると経験は浅いながらも、なんとかやっています。困った時には各分野のスペシャリストに相談することが可能であり、手術の応援に来ていただくこともあり、安心して働ける環境にあります。
最後に、当医局の特徴として、自分がしたいことがあれば積極的に受け入れてもらえる環境が整備されていることだと思います。「なりたい自分になれる科」、耳鼻咽喉科頭頸部外科に少しでも興味を持っていただければ嬉しいですし、一緒に働けたら泣いて喜びます。

Message 03

幅広い分野に挑戦でき、ライフステージにも寄り添う環境があります。

真子 知美TOMOMI MANAKO
[キャリア概略]
九州大学卒→初期研修医→大学病院→北九州市立医療センター→大学病院→大学院

私は母が耳鼻科医ということもあり、学生時代から耳鼻咽喉科を進路のひとつとして意識していました。ただ、母から特に勧められたわけではなく、自分自身でさまざまな科を経験する中で、耳鼻科の魅力を感じるようになりました。
学生や研修医の中には、耳鼻科にゆかりがなく選択肢に入れない方も多いかもしれませんが、それは本当にもったいないことだと思います。
学生時代や初期研修で耳鼻科をローテーションした際には、その診療の幅広さに感銘を受けました。小児から高齢者まで、繊細な顕微鏡や内視鏡手術からダイナミックな頭頸部手術まで、また感覚器を扱うQOL改善の医療から救命に関わる治療まで、非常に専門性が高く奥深い分野です。
初期研修医の頃にはすでに入局を決めていたため、「耳鼻科医として扱うからね」と先生方に手厚くご指導いただきました。入局1年目は同期とともに大学病院で過ごし、慣れないことに戸惑いながらも、先輩方の温かいサポートと同期の支えのもと、充実した楽しい毎日を送ることができました。
その後の関連病院勤務では、外来・手術ともに多くの経験を積み、他科との連携を通して、病院全体の中での耳鼻科の役割を実感することができました。
私生活では、もともと結婚や出産の希望はありましたが、当時は結婚の予定もなかったので、自分の興味が向くままに進んでいました。その中で頭頸部腫瘍の分野に惹かれ、より深く学びたいと思うようになりました。
大学院進学後に結婚・出産を経験し、現在は保育園の送り迎えや子どもの体調不良時など、周囲の先生方に助けていただきながら、研究と業務、育児の両立に取り組んでいます。柔軟に対応できる大学院という環境にも、とても救われています。
九州大学耳鼻科の医局は本当に懐の深い場所です。自分の興味や目標に応じて、やりたいことを見つけ、実現していける環境があります。 それぞれのライフステージに合わせた働き方も可能ですので、ぜひご検討ください。

Message 04

AI時代に輝く、”手の力”――耳鼻咽喉科という選択

藤原 義宜YOSHINORI FUJIWARA
[キャリア概略]
九州大学卒→初期研修→関連病院→九州大学病院→関連病院→九州大学病院

どの診療科を選ぶか、そしてどこに入局するか。医学生や研修医にとって、この悩みは尽きないものだと思います。私自身も学生の頃、どの分野にも魅力を感じながら「自分が長く続けていける仕事は何だろう」と考えていました。そんな中で出会ったのが、耳鼻咽喉科でした。
耳鼻咽喉科は、扱う領域が非常に広く、多彩な魅力にあふれています。顕微鏡や内視鏡を用いた繊細な手術から再建手術まで幅広く、子どもからご高齢の方まで、あらゆる年齢層の患者さんと関わることができます。耳・鼻・咽頭・喉頭・頭頸部といった多様な領域を通して、「聞く」「食べる」「匂う」「声を出す」といった、人の暮らしを支える大切な機能を守ること、そして頭頸部癌など命に関わる疾患にも真摯に向き合うことが、私たちの使命です。
私はその中でも耳の分野を専門としています。顕微鏡を使った精密な手術によって聴覚の回復や維持に関わる瞬間に、大きなやりがいを感じています。外来でも手術でも、自分の手で患者さんの「聞こえ」を支えられる実感があり、その一つひとつの経験が、私にとって何よりの励みになっています。
近年、AI技術の進歩により、診断や画像解析などの分野は急速に発展しています。しかし、実際に手を動かし、人に触れ、繊細な操作を行う「手技」の価値は、むしろこれからの時代にこそ輝きを増すと感じています。耳鼻咽喉科はまさにその“手技”が中心にある科であり、AIでは代替できない「人の手の力」を実感できる分野です。
九州大学耳鼻咽喉科学教室には、それぞれの分野に精通し、教育にも熱心で、後輩に親身な先生方がそろっています。診療・研究・教育のすべてにおいて学びの機会があり、自分の興味を深めながら確実に成長できる環境です。
進路に迷っている方は、ぜひ耳鼻咽喉科を候補のひとつとして考えてみてください。幅広い領域の中で、“QOL”と“命”の両方を支える医療を、自分の手で実践できる分野です。もし少しでも興味を持たれたら、ぜひ一度見学にいらしてください。いつでも歓迎します。