研究グループ

副鼻腔炎・鼻アレルギー研究室

主に慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎にたいする診療、研究を行っています。

診療従事

水曜日に専門外来を行っています。外来治療としては、アレルギー性鼻炎に対するアルゴンプラズマ下鼻甲介粘膜焼灼術やハウスダスト、スギ花粉に対する舌下免疫療法を行っています。また、入院においては、アレルギー性鼻炎に対する、粘膜下下甲介骨切除術や後鼻神経切断術、慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下副鼻腔手術を行っています。また、鼻副鼻腔腫瘍や眼窩骨折に対し、鼻内からアプローチが可能であればできるだけ鼻内内視鏡を用いた手術を行っています。

当科における鼻副鼻腔内視鏡手術の特徴

1.最先端で安全な手術

解剖学的に難しい場所(頭蓋底や内頸動脈、視神経管近傍)にある病変に対しては3D内視鏡や九州大学で開発された最新のナビゲーションシステムを併用した手術を行っています。
さらに2017年度からは最新の4K技術搭載の内視鏡システムが導入される予定でこれまで以上により安全、安心に手術ができる体制となります。
(手術実績や内視鏡手術の詳しい内容については http://www.hosp.kyushu-u.ac.jp/endoscopic_surgery/doctor10.htmlを参照ください。)
最先端で安全な手術

2.他科と連携し高度な手術にも対応

鼻から頭の中にまたがるような腫瘍の手術においては脳神経外科とまた鼻閉を伴うような外傷性斜鼻や鞍鼻の手術は形成外科と合同で行っています(外鼻形成は形成外科医が行い、鼻腔内は内視鏡を用いて耳鼻咽喉科医が整復)。鼻涙管の閉塞症に対しても眼科と連携し必要であれば鼻の中から内視鏡下に涙嚢鼻腔吻合術を行っています。

3.好酸球性副鼻腔炎の診断、治療、研究に力を入れています。

難治性副鼻腔炎である好酸球性副鼻腔炎が難病指定されました。好酸球性副鼻腔炎の患者さんの多くは気管性喘息やアスピリン喘息を合併しており、鼻副鼻腔の内視鏡手術をしても3割から4割の方が再発すると言われています。また耳の中耳炎を合併される方もいます。残念ながら好酸球性副鼻腔炎は手術だけで病気が治るものではなく、鼻と気道は繋がっているので気管支喘息をコントロールし、手術をする場合も術後にできるだけ鼻の中のいい状態を保つためにアフターケアが必要になります。患者さん個々にあった治療を提案し、副鼻腔炎をできるだけコントロールし生活の質を落とさないように努めています。

4.その他:内視鏡下鼻副鼻腔手術のトラブルのため相談に来られる患者さんが増加しています。

以下相談内容になります。

相談に来られる患者さんはどうして手術が必要か、手術以外に治療法はないのかなど手術前に十分な説明もなく、手術を受けられている方が多く、またひどい場合は手術前のCT画像では副鼻腔に炎症の所見はほとんどないのに手術が行なわれたケースもありました。
手術でのトラブルを避けるため手術を勧められたら自分がどういう病気で、手術以外に選択肢はないのか、手術をするのであれば何を目的として手術をするのか、手術を行った後はどういう状態になるのか、手術後の治療についても担当医によく話を聞いてみて下さい。福岡市内、北九州市には九州大学耳鼻咽喉科から副鼻腔炎・鼻アレルギー研究室グループの医師を派遣している病院施設があります(下記参照)。内視鏡を用いた鼻副鼻腔手術の相談があればぜひ受診下さい。
*紹介状が必要な施設がありますので受診される際はそれぞれの医療機関に確認し受診されてください。担当医が不在の場合は他医師の対応となります。
考える人:手術をしたがよくならん?

図:考える人:手術をしたがよくならん?

副鼻腔炎・鼻アレルギー研究室メンバー

九州大学病院
澤津橋基広
耳鼻咽喉、頭頸部外科 講師澤津橋基広 耳鼻咽喉、頭頸部外科 講師
[プロフィール、コラム]https://medicalnote.jp/doctors/160401-002-LQ
村上大輔
耳鼻咽喉、頭頸部外科 助教、医学部 講師
[プロフィール、コラム]https://medicalnote.jp/doctors/160603-002-OS
浜の町病院
岡部翠
耳鼻咽喉科、頭頸部外科 医師
福岡徳洲会病院
宮本雄介
耳鼻咽喉科 医員
北九州市立医療センター
田中俊一郎
耳鼻咽喉科 主任部長
九州病院
小池浩次
耳鼻咽喉科、頭頸部外科 診療部長
西嶋利光
耳鼻咽喉科、頭頸部外科 医師

研究について

スギ花粉症に対する新規経口免疫寛容剤を用いた減感作治療の臨床研究

企業(和興フィルタテクノロジー株式会社)と共同研究でスギ花粉症に対するあたらしい、免疫療法に関する臨床研究を行っています。これまでの免疫療法と違い、皮下注射や舌下によらない、経口的治療で、カプセルを飲めば、スギ花粉症の症状が緩和でき、場合によっては寛解(ほぼ症状が無くなる)も可能な画期的な治療法です。
経口免疫寛容剤を花粉が飛び始める1か月前から約2か月間服用することで花粉症を抑え、また抗アレルギー薬の服用回数を減らす効果があります。(2012年度臨床試験の結果より)

図:経口免疫寛容剤を花粉が飛び始める1か月前から約2か月間服用することで花粉症を抑え、また抗アレルギー薬の服用回数を減らす効果があります。(2012年度臨床試験の結果より)

マウス花粉症モデルに対する新規免疫寛容剤を用いた経鼻免疫療法の花粉症抑制効果の検討

経口免疫療法は利便性のよい治療法ですが大量の抗原が必要となりコストがかかります。そこでワクチンのように経鼻的に新規免疫寛容剤を投与することで、より少量の抗原量で花粉症の症状を抑えることができるか花粉症のマウスモデルを使って抑制効果の検討を行っています。
経鼻投与では舌下免疫療法で使用する抗原量の数十分の1の量で免疫寛容を誘導することが可能と考えられており効果があればコストの削減が可能となります。

リゾチーム-多糖体複合体を用いた好酸球性副鼻腔炎に対する局所治療への試み

好酸球性副鼻腔炎において好酸球性ムチンや壊死物質、鼻腔内のMRSAや緑膿菌などの耐性菌は炎症を難治化させる原因となっています。リゾチームに多糖体を結合させることでMRSAや緑膿菌に対する抗菌効果が認められ、局所治療薬(洗浄剤)として臨床応用を目指し企業(和興フィルタテクノロジー株式会社)、東京医科歯科大学と共同研究を行っています。
リゾリーム-キトサン複合体はMRSA,緑膿菌に対して優れた殺菌効果を示しており鼻副鼻腔の洗浄液として臨床応用を目指しています。(和興フィルタテクノロジー株式会社提供)

図:リゾリーム-キトサン複合体はMRSA,緑膿菌に対して優れた殺菌効果を示しており鼻副鼻腔の洗浄液として臨床応用を目指しています。(和興フィルタテクノロジー株式会社提供)

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